微生物も私たち人間と同じように、エサを食べて生きています。
土の中の微生物は、有機物(ゆうきぶつ)を分解しながら増え、土を豊かにしていきます。そして、その微生物の働きによって生まれた養分が、野菜の栄養になります。
つまり、野菜を育てる前に、まずは微生物のエサを知ることが大切なのです。
有機物とは
有機物とは、炭素(C)を含む化合物のうち、生き物の体や、その活動によって生まれたものなどを指します。
畑では、雑草や落ち葉、稲わら、米ぬかなどが身近な有機物です。微生物はこれらを分解しながら生きています。
主な微生物のエサ
雑草・落ち葉・稲わら・もみ殻・米ぬか・油かす・野菜くず・腐葉土・堆肥など
自然界では、枯れ葉や枯れ草が土の上に積もり、微生物によってゆっくり分解されていきます。
畑でも同じように、有機物を土へ返すことで微生物が育ち、土が豊かになっていきます。
炭素(C)と窒素(N)
微生物が有機物を分解するためには、炭素(C)と窒素(N)が必要です。
炭素は微生物のエネルギー源。人間でいう「ご飯」や「パン」のようなものです。
一方、窒素は微生物の体をつくる材料です。人間でいう「肉」や「魚」「大豆」などのタンパク質に近い役割を持っています。
微生物は炭素だけでも、窒素だけでも元気に働くことができません。両方のバランスが大切です。
C/N比とは

C/N比(シーエヌひ)とは、炭素(C)と窒素(N)の割合を表したものです。
有機物によって、この割合は大きく異なります。
稲わら・もみ殻・木くず・落ち葉
米ぬか・油かす・若い豆科植物・生の草
どちらが良い悪いではなく、自然界ではさまざまな有機物が混ざり合いながら循環しています。
窒素飢餓(ちっそきが)とは

炭素が非常に多い有機物を土に大量に混ぜると、微生物は分解のために窒素を必要とします。
その結果、土の中の窒素を微生物が先に使ってしまい、一時的に野菜が窒素不足になることがあります。
これを「窒素飢餓」といいます。
例えば、大量のもみ殻や大量の稲わら、大量のおがくずなどを、土にすき込んだ場合に起こりやすくなります。
野菜の生育が悪くなったり、葉の色が薄くなったりすることがあります。
自然栽培や有機栽培では、有機物をたくさん入れることよりも、微生物が無理なく分解できる環境をつくることが大切です。
おすすめ
・雑草をマルチとして使う
・落ち葉を土の表面に置く
・稲わらを敷く
・少量の米ぬかを活用する
・さまざまな植物を育てる
注意
・未熟な有機物を大量にすき込まない
・もみ殻や稲わらを大量に埋めない
・米ぬかを一度に入れ過ぎない
自然界では、有機物は土の表面から少しずつ分解されていきます。畑でも同じように、微生物のペースを大切にすることで、土は少しずつ豊かになっていきます。


