2-2 微生物の仕事

人の目には見えませんが、土の中では毎日たくさんの微生物が働いています。
微生物の仕事は、大きく分けると「分解」「養分化」「循環」の3つです。

これらの働きによって、有機物は養分となり、土は豊かになり、野菜は育っていきます。

2-2 微生物の仕事02

分解する

落ち葉や雑草、野菜の残渣(ざんさ)などは、そのままでは野菜が利用できません。そこで活躍するのが微生物です。

微生物は有機物を少しずつ分解し、植物が利用できる養分へと変えていきます。

もし微生物がいなければ、地球上は落ち葉や動植物の死骸(しがい)であふれてしまうでしょう。微生物は自然界の掃除屋であり、リサイクル屋でもあるのです。


養分化する

微生物は、分解した有機物をさらに変化させ、植物が利用できる形の養分(人間目線なら発酵)へと変えていきます。

たとえば、有機物に含まれる窒素は、微生物の働きによってアンモニウムなどの無機態窒素へ変わり、植物の根から吸収されるようになります。このように、有機物に含まれる養分が無機物へと変わることを無機化といいます。

こうした微生物の働きによって、有機物に含まれていた養分が再び植物へ受け渡されていきます。


循環させる

微生物の大きな役割の一つが、自然界の循環を支えることです。

①落ち葉が落ちる。
②微生物が分解する。
③養分になる。
④野菜や植物が吸収する。
⑤植物が育つ。
⑥再び枯れ葉や有機物になる。

この循環が何度も繰り返されています。

自然界には本来「ゴミ」というものはありません。
すべての命は次の命へと受け継がれています。微生物は、その循環を支える小さな職人だと思えます。

だから健康な野菜を育てるためには、肥料だけを見るのではなく、微生物が元気に働ける環境を整えることが大切なのです。

コラム 
~土が肥料をつくる~

「野菜は肥料で育つ」と思われることが多いかもしれません。
もちろん、肥料は野菜の成長を助ける大切な存在です。

しかし自然界を見てみると、少し違った景色が見えてきます。

森には肥料をまく人はいません。それでも大木は育ち、毎年新しい葉を広げています。

その理由は、落ち葉や枯れ枝を微生物が分解し、土の中で養分を生み出しているからです。

つまり森では、

①落ち葉が肥料になる
②微生物がそれを分解する
③土が養分を蓄える
④植物が利用する

自然栽培や自然農では、この自然の仕組みを大切に考えます。
肥料を与えることよりも、微生物が働ける環境を整えることを重視するのです。

①土を育てる。
②微生物を育てる。
③土が肥料をつくる。
④野菜が育つ。

これが自然界に古くから存在する循環の仕組みです。