5-1 畑の準備

野菜づくりとは!?
人は、野菜をどこまで育て、どこから自然に任せればよいのでしょうか。

健康な野菜は、健康な土から育ちます。
そのため、種をまいたり苗を植えたりする前に、畑を整えておくことが大切です。
ここまで学んできたように、土・微生物・水・空気がバランスよく働く環境をつくることが、畑づくりの基本になります。

野菜を育てる基本的な流れ

野菜づくりは、種をまくところから始まるわけではありません。

まずは畑の状態を知り、野菜の根が伸びやすい環境を整えるところから始まります。野菜によって必要な作業や順番は異なりますが、基本的な流れを知っておくと、今どの作業をしているのかが分かりやすくなります。

STEP

土の状態を確認する

畑の日当たり、水はけ、土の硬さなどを見て、これから野菜を育てる場所の状態を確認します。土の状態を知ることが、その後の土づくりや畝づくりを考える出発点になります。

  • 日当たり
  • 風通し
  • 水はけ
  • 土が固くないか
  • 前作の残渣(ざんさ)や雑草が残りすぎていないか
STEP

土を整える

畑の状態に合わせて、根が伸びやすく、微生物が活動しやすい環境を整えます。
必要に応じて腐葉土やたい肥(植物性)、もみ殻などの資材を使いますが、何でも入れればよいわけではありません。

STEP

畝をつくる

野菜を育てる場所を決め、土を盛って畝(うね)をつくります。
畝をつくることで排水性や通気性がよくなり、野菜の管理や畑での作業もしやすくなります。

  • 排水性をよくする
  • 通気性をよくする
  • 作業しやすくする
STEP

種まき

畑やポット、育苗(いくびょう)トレイなどに種をまく作業です。
野菜によって、畑へ直接まく「直播(じかまき)」と、ポットなどで苗を育ててから畑へ植える方法があります。

STEP

育苗

種をまいてから、畑へ植えられる大きさになるまで苗を育てることです。
温度、光、水分などを管理しながら、丈夫な苗に育てます。

STEP

間引き

発芽した苗の一部を抜くか他のポットへ移植し、残す苗の間隔を広げる作業です。
苗が混み合うのを防ぎ、光や風が届きやすく、根が伸びやすい環境をつくります。

STEP

定植

育てた苗を、畑やプランターなど最終的に育てる場所へ植えることを定植(ていしょく)といいます。
苗の大きさや気温、天候などを見ながら、それぞれの野菜に適した時期に行います。

STEP

水やり

土の乾き具合や野菜の生育に合わせて、水を与える作業です。
毎日決まった量を与えるのではなく、土の状態や天候を見ながら調整します。

STEP

支柱・仕立て

支柱やネットなどを使って茎やつるを支え、野菜が育ちやすい形に整える作業です。
野菜によって、誘引(ゆういん)、摘芽(てきが)、摘芯(てきしん)などを行う場合があります。

STEP

収穫

育った野菜を、食べごろの時期に採る作業です。
収穫のタイミングは野菜によって異なり、実の大きさや色、開花からの日数などを目安に判断します。

すべての野菜で、これらの作業をすべて行うわけではありません。直播で育てる野菜では育苗や定植を行わないなど、野菜や栽培方法によって流れは変わります。

具体的な方法や時期は、第6章「野菜別の育て方」で野菜ごとに紹介します。

必要な農機具と資材

畑の状態や育てる野菜に合わせて、必要な資材を準備します。
それぞれに役割があるので、すべてを使う必要はなく、目的に合わせて選びましょう。

農機具・道具

  • 鍬(くわ)
  • 鎌(かま)
  • ハサミ
  • スコップ
  • じょうろ
  • 鋤簾(じょれん) ※畝間を作るときに便利
  • 移植ごて
  • レーキ
  • 刈払機(広い畑や草が多い場合)
  • 耕運機(広い畑や草が多い場合)

資材

  • もみ殻
  • もみ殻くん炭
  • 米ぬか
  • たい肥
  • 腐葉土
  • マルチ
  • 支柱・ひも・誘引用資材
  • 防虫ネット
  • 不織布
  • ビニールトンネル

マルチの種類別性能

資材にはそれぞれ得意なことがあります。
自然の循環を生かすなら草マルチやワラなどの有機物を中心にしながら、必要に応じて黒マルチなども取り入れます。

スクロールできます
項目草マルチワラもみ殻黒マルチなし
保水性◎◎○◎△
通気性◎◎◎△○
地温保持○○△◎△
雑草抑制○○△◎×
微生物のエサになる◎◎○△×
土になる◎◎○××

畑の広さと単位

家庭菜園では「㎡(平方メートル)」を使うことが多いですが、農業では「畝(せ)」「反(たん)」「町(ちょう)」という昔ながらの面積の単位も今でも使われています。

たとえば「一反の畑」といわれたときに、どれくらいの広さなのか分かるよう、基本的な関係を覚えておくと便利です。

スクロールできます
呼び方面積坪メートル法での目安
1坪約3.3㎡1坪約1.8m四方
1畝(せ)100㎡ (約99㎡)30坪約1a
1反(たん)1,000㎡(約992㎡)300坪約10a
1町(ちょう)10,000㎡ (約9,917㎡)3,000坪約1ha

メートル法では、次のようになります。

  • 100㎡ = 1a(アール)
  • 1,000㎡ = 10a
  • 10,000㎡ = 1ha(ヘクタール)

そのため、畑では分かりやすく、

  • 1畝(せ) ≒ 100㎡ ≒ 1a
  • 1反(たん) ≒ 1,000㎡ ≒ 10a ≒ 300坪
  • 1町(ちょう) ≒ 10,000㎡ ≒ 1ha ≒ 3,000坪

と覚えておくと、広さをイメージしやすくなります。

たとえば、縦5m×横20mの畑なら100㎡です。おおよそ1畝(せ)、メートル法では1aの広さになります。

※面積の単位で使う「畝(せ)」と、野菜を植えるためにつくる「畝(うね)」は、同じ漢字ですが意味が異なります。
※1反は正確には約992㎡です。「1反=1,000㎡」は、畑の広さを分かりやすく把握するためのおおよその目安です。