1-2 良い土とは

良い土とは、単に野菜が育つ土ではありません。微生物やミミズなどの土の生き物が活発に働き、
植物の根がしっかり伸びる土です。

そのような土には、「空気を含む・水をためる・余分な水を流す・根が伸びやすい」という特徴があります。

健康な土を掘ると、土の粒が小さな塊になっていることがあります。指で軽く押すとほぐれますが、
水に濡れても簡単には崩れにくい状態です。
このように、土の細かな粒が有機物などと結びついて小さな塊になった構造を「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」といいます。

団粒構造の土の中には、「空気の通り道・水の通り道・微生物の住みか・根の伸びる空間」が生まれます。

その結果、

  1. 微生物が活発に働く
  2. 土の状態が整う
  3. 根がしっかり伸びる
  4. 野菜が健やかに育つ

という良い循環につながります。

つまり良い土とは、「野菜が育つ土」だけではなく、「根や土の生き物が元気に暮らせる土」とも言えます。


土を育てる資材

良い土は、肥料を与えるだけではつくれません。
土の状態を育てていくためには、微生物のエサとなる有機物や、通気性・排水性・保水性など土の環境を整える資材を使います。

代表的なものとして、次のようなものがあります。

① 有機物を増やす資材

土の中の有機物を増やし、微生物が暮らしやすい環境づくりを助けます。

  • 腐葉土
  • 植物性堆肥
  • バーク堆肥
  • 落ち葉
  • 竹チップ

② 微生物のエサになる資材

分解されやすい有機物を加えることで、微生物の活動を助けます。

  • 米ぬか
  • 油かす

米ぬかや油かすは微生物のエサになる一方、窒素やリン酸などの養分も含んでいます。特に油かすは有機質肥料としての働きも強いため、入れすぎには注意します。

③ 土の環境を整える資材

土のすき間を増やし、根や微生物が活動しやすい環境づくりを助けます。

  • もみ殻
  • もみ殻くん炭

もみ殻は土の通気性や排水性を改善する材料になり、もみ殻くん炭は多孔質(たこうしつ)な構造によって空気や水を保ちやすくします。もみ殻くん炭はアルカリ性のため、土壌のpHによっては使い方には注意が必要です。

④ 土を守るマルチ資材

土の表面を覆うことで、乾燥や夏の地温上昇、雨による泥はねなどを抑えます。

  • 草マルチ
  • ワラ
  • もみ殻

草やワラ、もみ殻などの植物由来のマルチは、土を守りながら、時間をかけて分解され有機物として土へ還っていきます。

余白では

① 土を育てる ② 微生物を育てる ③ 土が肥料をつくる ④ 野菜が育つ
という自然の循環を大切にしています。

コラム 
~森には肥料袋がない!?~

山や森には肥料袋もトラクターもありません。それでも大きな木が育ち、毎年たくさんの葉を茂らせています。

その理由のひとつが「循環」です。

植物が落とした葉や枯れ枝は、微生物や土の生き物によって少しずつ分解されます。
そこで生まれた養分を植物の根が再び利用し、新しい葉や枝をつくります。そして、それらもいつか土へ還っていきます。

自然界では、この循環が何百年、何千年と繰り返されています。

ただし、森と畑は同じではありません。
森では植物の多くがその場所へ還りますが、畑では野菜を収穫することで、土から吸収した養分の一部を外へ持ち出します。

だからこそ畑では、土の状態を観察しながら、必要に応じて有機物や養分を補っていくことも大切です。

森をそのまま畑へ再現するのではなく、自然の循環から学びながら、その土地に合った土を育てていく。

それが余白の土づくりの基本です。