私たちが何気なく踏んでいる土は、
いったい何からできているのでしょうか。
実は、その土ができるまでには、地球そのものの長い歴史が関わっています。
地球が誕生したのは、今から約46億年前です。誕生したばかりの地球は、現在とはまったく違う姿をしていました。
高温の状態から少しずつ冷えていく中で地殻(ちかく)が形成され、岩石が生まれていきました。
ただし、地球が誕生したころの岩石が、そのまま現在まで残っているわけではありません。
岩石は地球内部で溶けてマグマになったり、冷えて固まったり、地表で削られて堆積(たいせき)したり、
地下で熱や圧力を受けたりしながら、長い時間をかけて姿を変え続けています。
これを「岩石の循環」といいます。
そして地表に現れた岩石は、雨や風、昼と夜の温度変化、生き物の働きなどによって、
少しずつ砕かれたり成分が変化したりします。
このように、岩石が自然の作用によって砕かれたり変化したりすることを「風化(ふうか)」といいます。
風化によって岩石は石や砂になり、成分が変化することで粘土鉱物などもつくられていきます。
しかし、岩石が風化して砂や粘土になっただけでは、私たちが畑で見るような豊かな土壌にはなりません。
そこに植物が育ち、落ち葉や枯れ草、根などの有機物が加わります。
それらが微生物などによって分解・変化し、その一部が腐植として土に蓄積されていきます。
「岩石の風化 → 砂・粘土などの鉱物粒子」と、
「植物などが生み出す有機物 → 微生物などによる分解 → 腐植」が合わさり、土壌が形成されます。
岩石が風化してできた砂や粘土などの鉱物粒子に、植物などが生み出した有機物が加わり、
微生物などの働きによって分解・変化しながら、長い時間をかけて土壌が形成されていきます。
土は、岩石だけからできるのでも、生き物だけがつくるのでもありません。
岩石・水・空気・生き物、そして長い時間が関わり合って生まれるものなのです。
土が1cmできるのに約100年!?
一般的に、土が1cmできるのに約100年かかるとも言われています。
地域や環境によって違いはありますが、森林では1年間に0.01〜0.1mmほど土が増えると考えられています。
これは地面が盛り上がる速さではなく、岩が風化し、植物や微生物の働きによって有機物が積み重なり、
土へと変わっていく速さを表しています。
また山は、地球内部の力によって今も少しずつ押し上げられています。
山は、「押し上げられる力 ⇔ 風や雨で削られる力」のバランスによって姿を変え続けています。
私たちが畑で使っている土も、このような地球規模の大きな循環の中で生まれてきたものなのです。
一方で、土は雨や風によって流されたり、耕し方や管理方法によっては短期間で失われたりすることもあります。
作るのには長い時間がかかるのに、失うのはあっという間。
だから土は、自然が長い年月をかけて育ててきた大切な財産なのです。
土は単なる財産ではなく、
①野菜を育て、②命を育み、③未来を生み出す
「材産」でもあると思っています。
土とは単なる栽培の土台ではありません。
野菜を育て、人を育て、命をつなぐ。
土とは「生命をつなげる循環の場」なのです。
コラム
~岩の元は星屑なのか!?~
私たちの足元にある岩。
実は、その材料をたどっていくと宇宙に行き着くと言われています。
今ある岩は、地球が誕生したときの姿のまま残っているわけではありません。
地球内部の高温・高圧によって何度も溶けたり固まったりしながら、長い時間をかけて現在の岩石になりました。
さらにその材料となる元素は、はるか昔に宇宙で生まれたものです。
つまり、
「星のかけら → 岩 → 土 → 野菜 → 人」
という見方もできます。
そう考えると、畑で触れている土も、宇宙から続く長い歴史の一部なのかもしれません。
私たちが育てている野菜も、その野菜を育てる土も、もともとは同じ宇宙の材料から生まれたのです。


