野菜は土に植えるだけでは育ちません。
野菜が健やかに育つためには、光・水・空気・温度・土(養分)という5つの条件が必要です。
どれか一つだけが良くても、他の条件が不足すると健康には育ちません。
私たち人間が「食事・睡眠・運動・呼吸」のバランスが大切なように、野菜も5つの条件のバランスによって生長しています。
野菜が育つ5つの条件
① 光

光は、野菜にとって最も大切なエネルギー源です。
葉は光を受けて光合成を行い、水と二酸化炭素からブドウ糖(糖)をつくります。
このブドウ糖が、野菜の体やエネルギーのもとになります。
多くの野菜は、1日6時間以上の日当たりを好みます。
② 水

野菜の約80〜90%を水が占めています。
また、土の中の養分は水に溶けることで根から吸収されます。
不足するとしおれ、多すぎると根が酸欠になり病気の原因にもなります。大切なのは、「たくさん与えること」ではなく、適度な水分を保つことです。
また、第一章で学んだ保水性と排水性も、健康な野菜を育てるための大切な条件です。
③ 空気(風)

空気も野菜に欠かせません。
葉は空気中の二酸化炭素(CO₂)を取り込み、光合成を行います。
また、野菜や根、微生物は酸素(O₂)を使って呼吸しています。
さらに、空気中の窒素ガス(N₂)は、窒素固定菌によって植物が利用できる養分へと変えられます。
土の中にも空気が必要なため、通気性の良い土づくりが大切です。
④ 温度

野菜には、それぞれ発芽や生長に適した温度があります。例えば、春野菜と夏野菜では好む温度が大きく異なります。
気温が低すぎたり高すぎたりすると、生長が遅くなったり、発芽しなくなったりします。また、光不足や高温などの条件が重なると、徒長(とちょう)※1の原因になることもあります。
野菜ごとの適温を知ることも、上手に育てるポイントです。
※1 徒長とは、茎や枝が必要以上に長く伸び、ひょろひょろになる現象。
⑤ 土(養分)

野菜は根から水と養分を吸収します。
養分には、窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の三大栄養素をはじめ、多量要素や微量要素など、さまざまな必須元素があります。
しかし、養分が豊富でも、土の状態が悪ければ根は十分に吸収できません。そのため、健康な野菜を育てるには、「肥料を増やす」ことよりも、「土を育てる」ことが大切です。
土が育てば、土の生態系が豊かになり、野菜が利用できる養分がつくられます。その養分を根が吸収することで、野菜は健やかに育っていきます。
野菜を育てるには!?
- 光でエネルギーをつくり
- 水で養分を運び
- 空気で光合成と呼吸を行い
- 適した温度で生長し
- そのすべてを支える土の上で育つ
5つの条件は、それぞれがつながり合っています。
どれか一つだけではなく、すべての条件がそろうことで、野菜は本来の力を発揮します。
野菜づくりは、どれか一つを良くすることではなく、5つの条件のバランスを整えることが大切です。
次の4-3 「野菜の身体」では、野菜の体の中で、水・養分・ブドウ糖がどのように流れ、生長しているのかを見ていきましょう。


