農|土にふれ、暮らしに余白をつくる

種をまき、育ちを見守り、収穫する。
畑には、食べものを育てる喜びと、思い通りにいかないからこその発見があります。

きょうのよはくでは、「自給畑」と「こども畑」を軸に、農薬や化学肥料に頼らず、
土や草、生き物の働きを観察しながら野菜を育てています。

そこで得た経験や気づきを、野菜の育て方、体験や学び、読みものへとつなげていきます。

よはく農とは

型に当てはめない、観察する農。

よはく農

土を育てる。微生物を育てる。
土が肥料をつくる。そして、野菜が育つ。

よはく農では、農薬や化学肥料を使わず、無施肥を基本としています。

野菜に肥料を与えることを中心にするのではなく、土や微生物、生き物が働きやすい環境を整え、自然の循環を生かしながら、土そのものを育てていきます。

特定の農法を正解とせず、その土地の状態や気候、目の前の野菜を観察しながら、自分の土地と暮らしに合った育て方を考えていく。

それが、きょうのよはくが考える「よはく農」です。

「よはく農」の三箇条

一、土を育て、自然の循環を生かす。

土を育て、微生物や生き物が住みやすく、働きやすい環境を整える。
何でも人の手で整えすぎず、自然に任せる余白を残しながら、畑の循環を育てます。

二、観察し、自分なりの育て方を見つける。

特定の農法を正解として当てはめず、土・光・水・風・温度と、目の前の野菜を見る。
試して、失敗して、考えながら、その土地と暮らしに合った育て方を見つけていきます。

三、自育自食、分福余白。

自分で育て、自分で食べる。そして、育てた喜びを誰かと分かち合う。

「自育自食(じいくじしょく)、分福余白(ぶんぷくよはく)。」

その先に生まれる、暮らしの余白と気づきを大切にします。

よはく農の基本的な育て方

項目基本方針
栽培方法特定の農法に固定せず、土・光・水・風・温度と野菜を観察し、その土地に合った方法を選ぶ
土づくり野菜に肥料を与えることを中心にせず、土や微生物、生き物が住みやすく、働きやすい環境を育てる
草・有機物刈草や落ち葉など、畑にあるものをできるだけ生かし、土へ還す
耕起必要に応じて耕す。耕す・耕さないを固定しない
マルチ刈草・ワラ・落ち葉など自然由来のものを基本とし、黒マルチは基本的に使用しない
病害虫対策健全な土づくり・栽培適期・コンパニオンプランツ・防虫ネットなど
施肥・有機資材無施肥を基本に、必要に応じて腐葉土・バーク堆肥・米ぬか・油かす・竹チップなど植物由来のものを使用。動物由来のものは基本的に使用しない。なるべく買わない。
化学肥料使用しない
農薬使用しない
道具・技術昔ながらの知恵を大切にしながら、便利な農具やインターネット、AIなどの新しい技術も必要に応じて活用する

土を育て、循環する畑へ

よはく農では、農薬や化学肥料を使わず、無施肥を基本としています。

ただし、「何も与えないこと」そのものを目的にはしていません。目指しているのは、肥料を与えることで野菜を育て続けるのではなく、土や微生物、生き物の働きによって養分が循環する畑です。

刈った草を土に返し、落ち葉や腐葉土を生かす。そして、土の状態や野菜の様子を見ながら、必要であれば米ぬかや油かす、竹チップなどの植物由来の有機資材を取り入れることもあります。理想は買わずに手に入るものがいいですね。

一方で、牛ふん・鶏ふんなどの堆肥をはじめとした、動物由来の有機資材は基本的に使用しません。

そのため、よはく農の「無施肥」は、肥料や資材を一切使わないという意味ではありません。

できるだけ畑の中にあるものを循環させ、必要な場合も植物由来のものを中心に補いながら、外から持ち込むものに頼り続けなくても育つ土へ、少しずつ近づけていく。

野菜へ直接「肥料を与える」という考え方から、土を育て、その土が野菜を育てる。
その環境をつくっていくことを大切にしています。

土を育て、微生物を育てる

畑の主役は、目に見える野菜だけではありません。

土の中では、細菌や糸状菌(しじょうきん)などの微生物や、小さな生き物たちが有機物を分解し、養分の循環に関わっています。
草や落ち葉が土へ戻り、微生物や生き物によって分解され、その養分を植物が利用する。そして植物が育ち、やがてまた土へ還っていく。

土 → 微生物・生き物 → 植物 → 土。

畑もまた、自然の循環の中にあります。
人がすべてをつくるのではなく、その循環が働きやすい環境を整える。

よはく農では、野菜だけを見るのではなく、野菜が育つ土の中の環境まで含めて畑を育てることを大切にしています。


なぜ、農法をひとつに決めないのか

自然栽培、自然農、有機栽培、慣行栽培。
それぞれに考え方があり、土地や作物、育てる目的によって合う方法も変わります。

よはく農では、「自然だから良い」「慣行だから悪い」といった見方はしません。

土も違えば、日当たりも、水の流れも、気候も違う。
育てる野菜も、育てる人の暮らしも違います。

だからこそ、最初から「何農法」と決めるのではなく、目の前の畑を見ながら、その土地に合った育て方を考えていきます。

ただし、何でも取り入れるという意味ではなく、農薬や化学肥料を使わない。
これは、よはく農が大切にするひとつの軸です。

まずは、シンプルに育ててみる

最初は、自分がやってみたいと思った方法から始めればいいと思います。

ただ、最初から肥料や農薬、さまざまな資材を使うと、野菜が育つために何が必要で、何がなくても育つのかが見えにくくなることがあります。

だからこそ、まずはシンプルに。

種をまく。
水をやる。
そして、観察する。

土、光、水、風、温度。
野菜が育つ条件をひとつずつ見ながら、何が足りないのか、何が多すぎるのかを考える。

育たなければ、その理由を考える。
水なのか、光なのか、土なのか、時期なのか。

試して、失敗して、また育ててみる。
その繰り返しから、自分なりの育て方が少しずつ見えてきます。

土が変われば、育て方も変わっていい

最初から何も使わないことが正解ではありません。

まだ土が十分に育っていない畑では、有機栽培の考え方や植物由来の有機資材の力を借りながら、まず土を育てる。
土の状態が整ってきたら、少しずつ外から持ち込むものを減らしていく。

畑の変化とともに、育て方も変わってよくて、大切なのは、何農法かではなく、なぜそうするのか。
その理由を考えながら、自分の畑に合った方法を見つけていきます。

自然に寄り添い、便利なものも生かす

自然に寄り添った野菜づくりをするからといって、昔ながらの道具や方法だけにこだわる必要はないと考えています。

支柱や防虫ネット、育苗に使う道具など、今の野菜づくりには便利なものがたくさんあります。使いやすく、野菜を育てる助けになるものは取り入れていきます。

これは、農具や資材だけの話ではありません。

インターネットやスマートフォン、そして最近ではAIなど、私たちの暮らしを取り巻くテクノロジーは目まぐるしく進化しています。昔ながらの知恵や自然との関わりを大切にしながらも、こうした変化を無視するのではなく、便利なものは上手に活用すればいいと考えています。

畑の記録をスマートフォンで残す、分からないことをインターネットで調べる、AIと一緒に栽培方法を考えてみる。

新しい技術も、使い方次第で野菜づくりを助けてくれる道具になります。

一方で、黒マルチは、よはく農では基本的に使いません。
刈った草やワラ、落ち葉など、できるだけ畑にあるものや自然由来のものを生かして土を覆います。

ただし、黒マルチを使う栽培方法そのものを否定するものではありません。
畑の環境や規模、作物、育てる人によって、必要なものは違います。

自然に寄り添うことと、便利なものを遠ざけることは同じではない。

何を使うかより、なぜ使うのか。自分たちが大切にしたいことを軸にしながら、昔からある知恵も、新しい技術も、必要なものを選んで上手につき合っていきます。


自育自食、分福余白。

自分で育て、自分で食べる。
そして、育てた喜びを誰かと分かち合う。

よはく農は、野菜を育てるための方法だけではありません。

育てることを通して、食べものや自然とのつながりを知り、自分の暮らしを少しずつ自分の手に取り戻していく。

自育自食から、分福余白へ。

その先に生まれる、暮らしの余白と気づきを大切にしています。

よはく農を、実際の畑で

よはく農は、考え方だけで終わるものではありません。

実際に種をまき、育て、失敗し、収穫し、食べる。
その繰り返しの中で、土や野菜を観察しながら、よはく農そのものも育てていきます。

自給畑について

自分で育て、自分で食べる。

「自育自食(じいくじしょく)」のある暮らしを実践する畑。

はたけラボについて

育てるだけじゃない。畑で過ごす。

それぞれの楽しみ方を見つけられる小さな実験畑。

こども畑について

育てることを、遊びと学びへ。

子どもが育て、試し、失敗し、発見する、遊びと学びの畑。